バイヨン尊顔の顔立ち

日本国政府アンコール遺跡救済チーム(JSA)の調査によると、尊顔は全部で173あるとされている。

それらのバイヨンの尊顔を顔の輪郭と目の形で比較すると、デーヴァ型、デヴァター型、アスラ型の三種類の顔立ちに分類できると言われている。

1.デーヴァ型(男神):

丸みを帯びた穏やかな端正な顔立ち。穏やかな杏仁形の目。

もっとも特徴が出ている像 51番南面

2.デヴァター型(女神):

比較的細長い顔立ち。目じりを吊り上げる細目の目。

もっとも特徴が出ている像 50番東面

3.アスラ型(悪魔):

顎が左右に張っていて全体的に四角い顔。くりっと見開いて突出する目。

もっとも特徴が出ている像 35番北面

これらの尊顔の各塔への配置には、おおよその規則性があると言う。寺院の外側を向いているのがアスラ、寺院の内側を向いているのがデーヴァ、さらに、中央塔を讃嘆するように向いているのがデヴァターである。

これらは、守門神であるアスラとデーヴァ、主神に近侍するデヴァターという守護神の表象として位置づけられたと考えられている。(2009/01/02)

位置図