余禄

余録01

思ったこと、感じたことだけでなく、できれば、その旅の空気感や雰囲気、情感なども思い出に残したくて、書き始めたその時々の雑感や旅行余話です。

ルモー

ルモーアンコール・ワットや町中をルモーに乗って楽しそうに観光している欧米人を見て、私たちも乗ってみたいと思いました。

そこで、泊まったホテルの日本人スタッフに

ルモーに乗ってオールドマーケットへ夕食に出かけたいので大丈夫ですかと聞いてみた。

「オールドマーケットは、9時までなら安全だし、町中なので帰りのルモーもすぐに捕まりますよ。乗る前に行き先、片道か往復料金かをしっかり詰めておくことが大切です。料金は後払いです。」

と教えていただいた。

それでも心配なのでホテルで手配お願いした。

ルモーに乗ると、湿り気を含んだ風とアジア独特の香りが私たちを優しく包んだ。

裸電球に照らされたオールドマーケットの雑踏も私たちを暖かく迎えてくれた。

運転手さんは土産物屋の前を通るたびに、そこに寄らないかとすすめたが、飛び込みの土産物屋を楽しむ余裕はなかった。

案内された食堂は、味も雰囲気もよく、身近に聞こえるタクシー、バイクの騒音や

通り過ぎる観光客や地元の人々の話し声を聞きながら、

アンコール・ビールと夕食のひとときを楽しんだ。

今度は、アンコール・トムやアンコール・ワットへ、ルモーに乗って行きたいと思った。

クメール伝統織物研究所

クメール伝統織物研究所カンボジアでは20余年に渡って内戦が続いため、アジアの中でも群を抜いて繊細で華やかなクメール絣(かすり)は途絶えかけていました。

その伝統織物に魅せられた京都の手描き友禅職人森本喜久男さんが、

その再生と作り手の育成のため1996年、シェムリアップに立ち上げたNGO「クメール伝統織物研究所」を訪れました。

恥ずかしい話ですがツアーに組み込まれていたので、

「観光客相手のお土産物屋」と、この研究所を訪れるまで思っていました。

研究所のスタッフは、内戦で家族を失った貧しい女性たちを中心に300人以上のスタッフが働いています。

仕事を求めて来る人も後を絶ちません。

クメール伝統織物の特徴は、絣織りと草木染め、伝統的な五色(黄色と赤色・黒(茶)色・緑色・藍色)を使うことです。

絣(かすり)とは、染め分けた糸を織って文様を表す織物です。染め残す糸の箇所を糸でくくって防染します。

草木染めに使う天然素材は、ブローフと呼ばれるカンボジアの樹皮とラック介殻虫の巣、藍です。

黄色はブローフの樹皮から、

赤色はラックから、

黒(茶)色はラックの赤と藍の重ね染めで、

緑色は黄色と藍の重ね染めで、

藍色は藍から作りますと、

何も知らずにぽーと入ってきた私たち二人に詳しく熱心に説明した。

研究所の熱い思いと

カンボジア絹とブローフがかもし出す光り輝く黄色や

ラックが出す落ち着いた赤色、

木綿のようにしっかりした質感に魅せられて

黄金色に輝くハンカチと赤を基調としたスカーフを買った。

アプサラの舞

ガイドさんの薦めと無料ドリンク券に誘われて、19時から始まるアプサラダンスショーをホテルの地下にあるバー「エレファント」へ見に行った。

三味線や琴に似た弦楽器と太鼓などの民族楽器が奏でられ、アンコール・ワットのデバタのような華やかな衣装の一人のマチャー(人魚)が舞台に登場した。

いよいよショーの始まりである。

アプサラダンスショー舞台の中央の踊り子は、片足立ちし、もう一方の足は、くの字に折り曲げていた。足先で床をつかみながらゆっくり回転していく。

バランスの良さと力強さが片足立ちを支え、流れるような動きが踊り子の綺麗な衣装を一層あでやかに引きたてた。

背を丸めたまま飛び跳ねる。追いかけたり頭だけを動かして周囲を見たりする。また、毛繕いがコミカルに演じられた。

遺跡めぐりの途中で見た猿の仕草にそっくりだ。

大猿による剣の舞は、まるでアンコール・ワットの壁画に描かれたハニュマーンの活躍場面を切り取ったようだ。

田植えや稲刈りなどの農作業の合間に男が言い寄り、それを女がつれなく振る舞う場面は、どの国でも同じような駆け引きがあるようで、会場全体が笑い声に包まれた。

ビクを腰にぶら下げた漁民が、ぬるぬるして手元から逃げていくウナギ(どじょう?)と悪戦苦闘する様子は安来節にそっくりだ。

どれもこれもおもしろく75分があっという間に過ぎた。追加のビールを注文し忘れるほどだ。

その結果、バーにとっては何と儲からない客でした・・・。

コーヒー豆

コーヒー豆コーヒーが美味しかったので、おみやげにコーヒー豆を買うことを思いついた。

ビクトリアホテルならあるかも知れないとガイドさんから聞き、遺跡からの帰り道、ホテルへよってもらった。

ホテルの土産物売場を見て回ったが、缶入りの煎ったコーヒー豆はあったが、生豆はありません。

そこで、「I want coffee beans 」とたどたどしい英語で言った。そしたら、そこにある缶入りを薦められた。

生豆が欲しかったので「fresh beans、pure beans 」と更に言ったら、ホテルの奥へ走っていった。

しばらくすると二人で戻ってきた。つれてきたのは、少し英語の分かる店員だった。

日本語なまりの英語とカンボジアなまりの英語が何回か行き来し、袋詰めのコーヒー豆が手元に届いた。

しかし、それは生豆ではなく、そのホテルのレストランで使うため煎られた豆で、まだ、ほんのり温かい物だった。

生豆はあきらめて、訳の分からないカタカナ英語をいやがることなく、

3回もホテルの奥へ走って行った店員さんに感謝しながら受け取った。

日本へ帰って飲んだコーヒーは、

ホテルの店員さんを思い出させる優しい薫りに包まれていた。

アンコールクッキー

アンコール・クッキー旅行に付き物といえば、やっぱりお土産ですね。

でも、カンボジアの特産品て???胡椒のお土産を会社のみんなに買っていっても・・・

今までは、ハワイ土産にマカダミアン・ナッツ!のような土産はシェムリアップでは見当たらなく、皆さんお困りになっていました。

ところが、なんと!「お土産が必要な日本人の期待にこたえるようにアンコールワットの形をしたクッキーが売られるようになりました」

とガイドさんに教えていただきました。

マダム・サチコのプロデュースで作られたアンコールクッキー!

お味はあまり期待していなかったのですが、なかなかおいしいです。

これからアンコールワットへ行かれる方にお勧めの一品です。

がっかり遺跡

バンテアイ・スレイフランス人作家 アンドレ・マルローを魅了した”東洋のモナリザ”という旅行会社のキャッチコピーにつられ、この遺跡を見学のできるツアーを選んだ。

悪路を40分もバスに揺られた。

たどり着いた祠堂は遺跡保護のためロープでさえぎられ、女神を近くで見ることができなかった。

アンコール・ワットやアンコール・トムを見た後では、遺跡はとても小さく見え、まるでおもちゃのようだ。

また、覗き込むようにして遠くの「東洋のモナリザ」を眺めた。

「がっかり遺跡だ」と思った。

懐中電灯

懐中電灯日の出や日の入りを見るツアーが組まれていたので、単4乾電池2本なので軽いうえにLED光源の明るい懐中電灯を持参した。

朝、5:00に起きてアンコール・ワットに向かった。

地面からおよそ胸ぐらいの高さで人ひとりがやっと通れるぐらいの幅しかない西塔門が見学場所だった。そこは、日本では想像できないぐらい真っ暗だ。

明るく青白いLED光が、足もとの不安を取り除き、安全に私たちを見学場所へ導いた。

ガイドさんが持参した弱々しい白熱球の光が、踊り舞うデバタのレリーフを幻想的に浮かびあがらせた。

う〜ん、懐中電灯、交換して歩きたかったなあ・・・

コンパス

磁石アンコール遺跡を楽しむには、方位とそれを司る神を知ることが重要と聞いた。例えば、バンテアイ・スレイ東面のまぐさやリンテルには、インドラ神が祀られている。そこで、腕時計にコンパスを取り付けた。

ツアーの場合、大回りコースや小回りコースを使った遺跡めぐりは、効率よく回ることが優先さる。この遺跡は、南門から北門へ、次の遺跡は、西門から南門へと歩く。

また、タ・プロームなどは、崩壊している箇所を避けて右へ左へと迂回したり、回廊を何度も横切った。その度に、コンパスを頼りに、「地球の歩き方」を横にしたり逆さにしたりして、どこを歩いているか確認した。

遺跡見学を終える頃には、頭のコンパスはくるくる回りだし、ホテルに戻ったときには、どこをどう歩いたのか、全く思い出せなくなっていた。

ガルーダとナーガ

ガルーダ蛇年生まれの夫と酉年生まれの私の二人で世界遺産という言葉に惹かれカンボジアのアンコール遺跡観光へいきました。

多くの遺跡にガルーダ(鷲の頭を持つ鳥人)とナーガ(多くの首を持った大蛇)の彫刻がありました。どの彫刻を見てもガルーダがナーガを踏みつけていました。

それを見て、夫が、「かわいそうに、へびがいつでも鳥に踏みつけられている。かかあ天下の我が家を見ているようだ。」と言ったので、私は、「あ〜ら、お父さんの肩をけなげに揉んでいるんですよ。」とすぐに言いかえしました。

ちょっと、口先鋭かったかしら・・・。

土産用Tシャツ

Tシャツ9月のカンボジアは雨季で湿度も高いと聞いたので、なにかよいシャツはないかと探した。ポリプロピレン素材の速乾性シャツをキャンプ用品店ですすめられ、灰色がかった暗い黄緑色やねずみ色のものを4枚購入した。

カンボジアは想像以上に湿度が高く、気温の低い早朝のサンライズですらシャツは汗でぐっしょり濡れ、午前観光→ランチ→昼休憩→午後観光外出するたびに着替えた。エアコンの効いた部屋で半日も干せば乾くと思ったがシャツはなかなか乾かない。

とうとう着替えのシャツがなくなり、アンコール・ワットやクメール文字、四面仏が大きく描かれた黄色や緑色の派手な土産用Tシャツを一枚一ドルで買った。

アンコール・ワットの絵柄Tシャツを嫌々着た私だが、記念写真には遺跡めぐりを心から楽しんで、蝶のようにふわふわと舞っている私が写っていた。