余禄

余録06

思ったこと、感じたことだけでなく、できれば、その旅の空気感や雰囲気、情感なども思い出に残したくて、書き始めたその時々の雑感や旅行余話です。

旅心

メコン川を渡るゴールデンウイークが始まった土曜日、ずっとテレビを見ていた。

世界・ふしぎ発見!がアンコールワット発掘リポートをやっていた。

バンテアイ・クディで発見された首から先のない大量の仏様を展示するイオン・シアヌーク博物館の館内で「もうじき頭部も発見される」と石澤先生が語りかける。

黄金色に輝く繭と絹糸を前に

「桑の原木があるので養蚕の起源はこの国だと思っている」とクメール伝統織物研究所の森本さんが話している。

突然、コウモリの糞とカビの臭いが入り混じる湿った空気とジャスミンの匂いが漂った気がした。

カンボジアが私を呼んでいる。

(2008/04/27)

もてなし

ざる蕎麦 祇園精舎絵図にもなったアンコール・ワット。

そんな異国情緒を味わった後、ラッキー・アンコールで昼食だった。

なんと畳の部屋だ。ざる蕎麦にはチューブ入りわさびと刻みねぎが添えられていた。

ポッカのお茶を飲みながら豆腐の入ったカンボジア鍋料理をつついた。

カンボジアまで来てこれでは、踏んだり蹴ったりだ。

いやいや、至れり尽くせりです。

(2008/04/15)

癩王のテラス

ライ王のテラスライ王のテラスを見学するあたり、

三島由紀夫の「癩王のテラス」を読みたいと思った。

本屋さんに問い合わせたところ絶版になっていた。

アマゾンで探して、2,000円で手に入れた。

本は昭和50年発行で、定価180円だった。

初めて手にした古書だ。

(2008/03/08)

遺跡の街

アンコール・ワット 三菱UFJニコス株式会社が発行するGRAN3月号が

「シェムリアップ、遺跡の街へ」を特集していた。

「驚きの遺跡」として、アンコール・トム、アンコール・ワット、バンテアイ・スレイ、タ・プロムを、

「美しい伝統」が、クメール伝統織物研究所、石細工の工房、バンテアイ・スレイ・ラチャナツUを、

「やすらぐ空間」は、ソフィテル・ロイヤル・アンコールやエフシーシー・アンコールを紹介している。

この冊子に取り上げられてうれしかったけど、

お盆の時期に航空券やホテルが容易く確保できるか少し心配になった。

(2008/02/24)

ワット絵柄のサンダル

ワットの描かれた土産アンコール・ワットの描かれたサンダルが昨年12月にカンボジア東南部のスバイリエン州で12足、同州に隣接するベトナム南部タイニン省で11足見つかり、

カンボジア政府が

「人が踏みつける場所に神聖な遺跡を描くとは侮辱的だ」

と問題視、製造元の調査を始めたことが分かった。

という共同通信の記事を見た。

カンボジアの人々にとって「アンコール・ワットは仏様なんだ」と感心した。

でも、ワットの絵が描かれたサンダルがシェムリアップの土産物屋に並んでいたら

きっと買いたくなるね。

(2008/02/09)

クメールの微笑み

クメールの微笑み「クメールの微笑み」と呼ばれる尊顔のあるバイヨン。

20面が崩壊したが、それでも165面が現存する。

「バイヨン」のページをめくりながら、観世音菩薩の尊顔写真を見比べていた。

大きなイヤリング。花柄のネックレス。

蓮の花の宝冠髪飾りを付けた頭。

一重や二重まぶたのつりあがった大きな目。

厚い唇。

それぞれが個性的だ。

口元が上がっている尊顔もある。

これが「クメールの微笑み」だと思った。

(2008/01/14)

ワットの東参道

ワットの東参道大勢の観光客が行き来する石畳の西参道を通って、

ワット第一回廊の壁画を見に行った。

マハーバーラタ物語、スーリヤヴァルマンの栄光、

天国と地獄と巡り、乳海撹拌のある東面に着いた。

壁画の反対側、列柱の先に東参道が目に付いた。

人影もまばらで、深い森の中へ続いている。

まるで樹海へと分け入るようだった。

ジャングルに覆われた廃墟を歩くイメージにぴったりだ。

今度は東参道からワットを訪れたい。

(2008/01/07)

アモックの器

アモック12月4日付け朝日新聞朝刊の食在遠近にアモックの記事があった。

「バナナの葉の器に入れて蒸すのが正統な姿だ」と書いてある。

熱帯情緒あふれる椰子の椀でアモックを出すことが、

日本人を研究した結果だったの?

(2007/12/04)

アモック

アモック名物カンボジア料理と言えばアモックだ。

シェムリアップで食事をすると必ずと言ってよいほど出てくる。

椰子の実を半分に割ったものに盛り付けられている。

レモングラスやパクチ、胡椒、唐辛子など香辛料が利いている。

ココナツミルク仕立ての魚カレーだと思っていた。

でも、今年の夏は、バナナ葉の器に盛られたうえに、口当たりは滑らかな茶碗蒸しだった。

「なんじゃこりゃ?」と思った。

11月20日の朝日新聞夕刊に

東京・代々木のカンボジア料理店「アンコールワット」店長ゴ・ミントンさんのアモックの記事が出ていた。

香辛料をふんだんに使ったココナツミルクをベースにした魚料理だ。

でも、日本人は、香りのきついものはダメ、辛いのもダメと聞いたので

日本人の舌に合う味を研究したと書いてあった。

あの茶碗蒸しも研究の成果かな?

(2007/11/20)

破風の黒変

煤けた破風「クメールの至宝」と言われるバンテアイ・スレイへ行った。

熱帯の太陽に照らされて遺跡全体が赤く輝いている。

破風はゆらゆらと燃え上がっているようだ。

近づくと破風のインドラ神やシヴァ神、猿が黒こげだった。

黒く煤けたのは、遺跡修復時にイバラや赤蟻を除去するため山焼きしたことが原因だと思った。

しかし、黒くなったのは、「風雨と日光にさらされて、砂岩に含まれる硫黄分が固まり黒変した」と聞いた。

修復から80年も風雨にさらされて、煤が残っている。

よく考えれば、そんな訳ないよね。

(2007/11/13)