バイヨンのデヴァター
バイヨンの中央祠堂に向かう東の正面入り口の左右に、特別なデヴァター2体が配置されています。
中央祠堂を彩る他の35体と見比べてみました。
この2体が刻まれた壁がんは他と比べてとても大きくて、デヴァターの表情も豊かでした。そして、従者(供養者)や説話場面も刻まれています。(2013/01/03)
参考
「The BAYON MASUTER PLAN 付録3 バイヨン寺院の美術史調査報告」 P327 抜粋
「他のデーヴァター像がほぼ画一化された表現の中で、この2体については、顔の表情や体躯、装身具などにおいて形式化された要素が少なく、実在の人物をモデルとして造られたような感を与える。・・・
この2体のデーヴァターは、ジャヤヴァルマンⅦ世の二人の王妃の姿をなぞらえた可能性があるのではないだろうか。
向かって左側が最初の妃で、若くして亡くなったジャヤラージャデーヴィーであり、向かって右側が2番目の妃で、ジャヤラージャデーヴィーの姉(?)にあたり、哲学や宗教にも通じ、ジャヤヴァルマンⅦ世の精神的な支えともなったインドラデーヴィーであろう。」
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