ラーマーヤナ物語

アンコール・ワット第一回廊西面北側の壁面(全長51.25m)にラーマーヤナの戦闘編(ランカー島の戦い)が描かれている。

ラーマーヤナ物語は、少年編、アヨーディヤー編、森林編、キシュキンダー編、華美編、戦闘編、終末編の全七編二万四千の詩句より成り立っている。

作者は、アーディカヴィ(最初の詩人)と呼ばれているヴァールミーキと言われている。

壁画の中央にハヌマーンの肩に乗って矢を射ようとするラーマ王子が描かれている。弟のラクシュマナとラーヴァナの弟ヴィビーシャナが、その左脇に立っている。

ラーマ軍は、全て歩兵である。一方、ラーヴァナ軍のラーヴァナを含む19人の武将は、馬やライオン、象に曳かれる馬車に乗っている。

ラーマ軍の武器は、木の枝と石だ。そして、鋭い歯と、強い腕と足で敵を引き裂いている。片方、ラーヴァナ軍は、槌矛や剣、槍、投げ槍、棍棒で武装している。

2頭のライオンに曳かれた馬車に乗る10の頭と20本の腕、4本の足を持つ像がラーヴァナである。(2013/06/14)

参考図書:

Khmer Mythology Vittorio Roveda

Sacred Angkor The Carved Reliefs of Angkor Wat Vittorio Roveda

アンコール ワットの彫刻 第五章 ランカ島戦 P77〜92 伊東照司