仏様のルーツ

古代インドで信仰されていた山川草木などの自然を神格化した神々やバラモン教・ヒンドゥー教の神が仏教に大勢取り入れられている。

仏教に帰依した神々は、仏の教えと仏を守るとともに、人々に現世利益をもたらす役目を果たすようになった。

仏教に取り入れられたこれらのバラモン教・ヒンドゥー教(インド神話を含む)の神々が「天」であり、まとめて「天部」と呼ばれている。

「天」とは、サンスクリット語のデーヴァ(神)の漢訳である。

天部 起源神 仏様の説明
愛染明王(アイゼンミョウオウ) カーマ 恋愛・縁結び・家庭円満」などをつかさどる。
阿修羅(アシュラ) アスラ 神々と闘う闘争的な悪神。
韋駄天(イダテン) スカンダ 仏法の守護神、小児の病魔を除く神。
閻魔天(エンマテン) ヤマ 閻魔大王として冥界の支配者。人間の行為の審判者。
迦楼羅(カルラ) ガルーダ 天竜八部衆の一として、仏法の守護神。
歓喜天(カンギテン) ガネーシャ 夫婦和合、子授けの神。
鬼子母神(キシモジン) パンチーカ 子供と安産の守り神
吉祥天(キッショウテン) ラクシュミー 一切の業障等の難を取り除き、財宝を得る功徳幸せをもたらす神様。
緊那羅(キンナラ) キンナラ 天竜八部の第七。帝釈天又は毘沙門天に仕える音楽神。
孔雀明王(クジャクミョウオウ) マハー・マユーリー 密教では、除災・祈雨法の本尊。
功徳天(クドクテン) シュリー・デーヴィー 財富神に連なる福神として信仰される。
乾だっ姿神(ケンダッパシン) ガンダルヴァ 八部衆の一神で帝釈天の雅楽をつかさどる神。
広目天(コウモクテン) ヴィルーパークシャ 四天王の一神、西方を護る守護神。
金剛力士(コンゴウリキシ) ヴァジュラ・パーニ 金剛杵を持つ仁王像で、お釈迦様の守護神。
金毘羅(コンピラ) クンビーラ 海上安全や大漁を成就させる海神。
持国天(ジコクテン) ドリタラーシュトラ 四天王の一神、東方を護る守護神。
水天(スイテン) ヴァルナ 西方を守護する水神。
増長天(ゾウチョウテン) ヴィルーダカ 四天王の一神、南方を護る守護神。
帝釈天(タイシャクテン) インドラ 仏教の護法神。十二天の第一者として東方を守護する。
大自在天(ダイジザイテン) マヘーシュヴァラ 色界最上の浄居(じょうご)天に住む。
大黒天(ダイコクテン) マハー・カーラ 商売繁盛、金運を授ける神。
多聞天(タモンテン)・毘沙門天(ビシャモンテン) ヴァイシュラヴァナ・クヴェーラ 四天王の一神、北方を護る守護神。独尊像として造像安置する場合は「毘沙門天」。
那羅延天(ナラエンテン) ナーラーヤナ 三目で迦楼羅鳥に乗っている帝釈天に仕える強力の神。
難駝龍王(ナンダリュウオウ) ナンダ・ナーガ・ラージャ) 護法神である八大龍王の第一で人々の願いに応じて風雨を調える。
風天(フウテン) ヴァーユ 護法十二天の一尊。自在に吹く風の力を神格化したもの。
弁才天(ベンザイテン) サラスヴァティー 七福神音楽・学問・福運財宝神。
梵天(ボンテン) ブラフマー 釈迦の脇侍仏教守護・国土安穏・立身出世。
摩利支天(マリシテン) マリシ 護身、蓄財などの神。