ソンボー・プレイ・クック

コンポン・トムから約28km、約45分でオー・クル・ケー川の橋の手前にあるツーリスト・オフィスに到着する。

豊かな森を意味するソンボー・プレイ・クック。、N群やC群、S群など100棟以上のレンガ造りの祠堂が潅木の中に点在している。

このソンボー・プレイ・クック遺跡群は、早稲田大学建築史研究室が1998年より調査活動に着手し、2001年から文化芸術省と共同で、文化財保護・芸術研究助成財団と住友財団からの助成を受け「サンボー・プレイ・クック遺跡保全事業」を開始した。2009年からは、レンガ造祠堂の修復工事を行っている。

北遺跡群(N群)の中央祠堂(N1)は、東西南北の四方に開口部がある。第三周壁の四隅にはN2〜N5の4つの祠堂がある。N7だけが八角形で、空中宮殿の彫刻が壁面を飾っている。N9からは、シヴァ神の配偶神のひとりドゥルガー神像が発見された。現在、プノンペン国立博物館に展示されている。N17は砂岩作りの祠堂で、屋根を飾る人面像はヘレニズムの影響があると言われている。

中央遺跡群(C群)の中央祠堂(C1)は、東向きに建ち、開口部は東面だけで、他の3面は偽扉である。東面扉の両脇にたてがみに特徴があるシンハが置かれている。このシンハ、一つの大きな石から台座も含め削りだされている。

南遺跡群(S群)は、S7〜S11は八角形の祠堂で壁面には空中宮殿が彫刻が壁面を飾っている。S2には、馬蹄形レリーフ(クドゥー)と植物紋様の浮き彫り、S10祠堂下部にクリフォン、内周壁西側の壁体に円形浮彫(メダリオン)が刻まれている。(2011/12/26)

ソンボー・プレイ・クックC群

ソンボー・プレイ・クックN群

ソンボー・プレイ・クックS群

建立年代:
7世紀〜9世紀
建立王:
(N群)イーシャーナヴァルマンT世
 
(C群)ジャヤヴァルマンU世
 
(S群)イーシャーナヴァルマンT世の治世
宗教:
ヒンドゥー教
規模等:
(N群)第一周壁東西約260mx南北230m 第二周壁約120m正方形 第三周壁約50mの正方形
 
(C群)外周壁東西約330m x 南北約310m、内周壁東西約175m x 南北約160m 北東角に池
 
(S群)外周壁東西約300m x 南北約270m、内周壁約190mの正方形 S1中央祠堂
遺跡の意味:
豊かな森
ソンボー・プレイ・クック地図